昨晩、NHKで鍼灸の番組が放映されたようですね。
残念ながら私は観ていないのですが・・・
患者さんとの話の中で
ふと思ったことを。
西洋医学と同様に東洋医学も一般的になればいいな、
という患者さんのありがたい言葉を聞いて、
そうなるには、東洋医学の中でも少なくとも鍼灸に関しては
学ぶための絶対時間が圧倒的に足りていない、と思っています。
医師になるには、
6年制の医科大学卒業後、国家試験に合格し、
その後、2年間臨床研修医として勤務することが必要です。
鍼灸師になるためには、
高卒以上が入学できる3年制の鍼灸専門学校か、
4年制の鍼灸大学を卒業して、国家試験に合格することです。
臨床研修は必要ありません。
はっきり言って、
3年間の専門学校では、全然、足りない。
その3年は、国家試験に合格するためであって、
臨床に必要なことは、
卒後、
個人的に勉強会に参加するとか、師匠につくとか、専門書や古典を読むとかして、
積極的に学ぶことです。
医療費の高騰で国の財政を圧迫させている現在、
国は予防医学を謳うことが増えてきたこともあり、
この番組で、東洋医学へ国民の興味を向かわせているのかな~とも思いますが、
(なにしろ番組を観ていないので勝手な憶測ですが)
私は、鍼灸推ししてくださっても、内実、伴ってないっスよ、と言いたくなります。
そんなこと言いたくない本音もありますけど。
鍼灸界でも、
勉強熱心で、センスもあり、技術、知識に長け、
知性、人間性など優れている素晴らしい先生方は多くいらっしゃいます。
それは、事実です。
でも、私も含め、まだまだ全然未熟な鍼灸師も、
その何十倍、何百倍もいるのです。
鍼灸を西洋医学と双璧を成すぐらいのものにするためには、
まず鍼灸師になるための制度改革が必要だと思います。
鍼灸師一人一人が学んで頑張ってみたところで、
全体のレベルをあげないと厳しいだろうなぁ、というのが忌憚のない私の考えです。
国も本気で医療費や、
もとより、国民の健康を考えるならば、
鍼灸師育成について真剣に取り組んでほしいと思うのです。
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