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「病は気から」という言葉はどんな意味だと思いますか?

一般的には、「病は気の持ちようによって起こる」と考えられているのではないでしょうか?しかし、どうも、「病は気から」という言葉の真意は「病は気の乱れによって起こる」ということのようです。

東洋医学では、とても重要な概念に気・血(けつ)・津液(しんえき)というものがあります。

気とは、元来、非常に広範囲に使われる言葉で、すべての見えないもの、物の働きなどを気と呼んだようです。

天気・電気・空気・元気・気持ち・・・などです。人体には 気があって、適度に循環して、発散して健康を保っています。

また、気は、血、津液を身体中に巡らせることによって、身体の各部に栄養を行き渡らせたり、いろんな生理活動を行っています。

血(けつ)とは、ほぼ、いわゆる血(ち)と同義と考えていいと思います。
津液(しんえき)とは、血以外の体の水分と考えていいと思います。

これら気・血・津液は人の身体にとって、とても大切なものです。身体の中で、これらのバランスが狂った時、つまり巡らずに滞ってしまったり、減ってしまったり(このことを東洋医学では『虚・実』といいます)することによって、病気になると考えています。ですから、「病は気から」という言葉は、

「病は気のバランスが狂った時に起こる」とか、「病は気が、巡らず滞ったり、減ったりした時に起こる」と言い換えてもいいかも知れません。

東洋医学、鍼灸・指圧 は、こういう気の乱れを正すお手伝いをしています。

では、どうして、バランスが狂ったり、巡らず滞ったり減ったりするのでしょうか?

東洋医学の古典といわれる『黄帝内経』という本によると、それは、大きくわけて3つ考えられています。

それは、外因・内因・不内外因です。

外因とは、自然の気候の変化のことです。そのことを『外邪(がいじゃ)』と呼んでいます。

主には、これらは6種類あり、『六淫(りくいん)』 といいます。

1/風:風邪(かぜ)という言葉がありますが、これは風の外邪、風邪(ふうじゃ)が原因で起こったものです。
2/寒:本来、冬などの寒さをさしましたが、現代では、冷房の寒さも原因となっています。
3/暑:夏の暑さのことです。
4/湿:梅雨時期や、秋の長雨の時などのジメジメや、汗をかいた下着をずっと身につけているような湿っぽさです。
5/燥:湿とは反対の、乾燥のことです。
6/火:夏の暑さ以外の熱のことです。
『六淫』以外の主な『外邪』は、東洋医学で疫癘(えきれい)と呼ばれる、
今でいうウイルスなどの病原菌などがあげられます。

内因とは、自分の内から生じる原因のことで、過度の感情のことです。主に7種類あり、『七情』といいます。

1/怒:心の中の張りつめた怒りのことです。
2/喜:こみ上げる嬉しさや楽しさのことです。
3/思:深く考えることです。
4/悲:心をいためて悲しむことです。
5/憂:思い悩んで、心が滅入ったりすることです。
6/恐:恐れることです。
7/驚:驚いて慌てることです。

不内外因とは、外因でも、内因でもない原因のことです。
例えば、事故や、食べ物の質・量、悪い姿勢、運動不足、過重労働、もろもろのストレス、セックスの不摂生などです。

こういった原因で気のバランスを欠いてしまうと、病気が起こるんですね。そう考えますと、内因である感情が病気を作ってしまうのならば、ある面、「病は気から」という意味は、従来考えられている「病は気の持ちようだ」という解釈もあながち全くの間違えではなさそうですが。

日々、患者さんと接する中で、私はこれらを実感しています。
冷え過ぎたからだが病気を招いていること、必要以上食べ過ぎて調子を崩してしまったこと、思い悩み過ぎて身体を壊してしまったこと、などなど、身近にいっぱいあります。

なんとなく体調がすぐれなくてイマイチ気分が乗らないとか、なんというわけではないが身体が重いとか、いくら休んでも疲れがとれないとか、いわゆる不定愁訴と呼ばれる症状は、多くの方がしばしば感じることだと思いますが、こういった症状に対して、病院での検査で「異常なし」という結果に、何か解せない気持ちを抱いたこと、みなさん、ありませんか?

「確かに自分は具合が悪いのに、何でもありませんといわれても・・・。」と。そしてこういう時の決まり文句が「病は気から」。そうです。「病は気から」なんです。気のバランスが狂ったから具合が悪くなったんです。気が巡らないで滞ったり減ったりしたから調子がすぐれないんです。

では、その原因はなんでしょう。

イライラ怒り過ぎたことはありませんでしたか?
真冬に素足でいませんでしたか?
夜更かし三昧で睡眠不足ではありませんでしたか?

日常生活の中で見過ごしてしまうような当たり前に思えることが、立派な(?)病因となるわけです。

何が原因だったのか。
これに気付き、養生する。
そうすればおのずと、健康の糸口が見えてくる・・・

かくありたいものですね。

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