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鍼灸の古典「難経」のお勉強コーナー
~参考文献~
「難経入門」遠藤了一著 オリエント出版社 「難経ハンドブック」池田政一著 日本の医道社
「難経の研究」木間祥白著 日本の医道社 「難経本義」山下詢訓 名著出版
「わかりやすい難経の臨床解説」杉山勲著 緑書房 「ハイブリッド難経」割石務文著 六然社
「難経解説」東洋学術出版  「意釈八十一難経/小曽戸丈夫+浜田善利 共著」築地書館
「経絡治療 難経を学ぶ」名越礼子 経絡治療学会 「難経真義」池田政一著 六然社
図説 難経~易経と難経 西岡由記著 宝栄出版 「難経鉄鑑」広岡蘇仙著・伴尚志訳 たにぐち書店


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  奇経の病証

二十九難曰、奇経之為病如何。
然、陽維維于陽、陰維維于陰。陰陽不能自相維、則悵然失志、溶溶不能自収持。
陽維為病、苦寒熱。陰維為病、苦心痛。
陰為病、陽緩而陰急。陽為病、陰緩而陽急。衝之為病、逆気而裏急。
督之為病、脊強而厥。任之為病、其内苦結、男子為七疝、女子為聚。
帯之為病、腹満腰溶溶若坐水中。
此奇経入脈之為病也。




○二十九難に曰く、奇経の病を為すこと如何に。
然り、陽維は陽を維ぎ、陰維は陰を維ぐ。陰陽が自ら相い維ぐこと能わざるときは、悵然として志を失い、
溶溶として自ら収持すること能わず。陽維が病を為すは寒熱を苦しむ。陰維が病を為すは心痛を苦しむ。
陰が病を為すは、陽が緩みて陰が急す。陽が病を為すは、陰が緩みて陽が急す。
衝が病を為すは、逆気して裏を急す。
督が病を為すは脊が強ばりて厥す。任が病を為すは其の内が苦結し、男子は七疝に、女子は
聚す。
帯が病を為すは腹が満ち、腰は溶溶として水中に坐るが如し。
此れ奇経八脈の病を為せるなり。



(訳)
/ニ十九難
 奇経の病気ってどういうものなの?

/
それはね・・・陽維脉は全部の陽脉をつなぐもので、陰維脉は全部の陰脉をつなぐものだから、
それぞれの陰陽の脉がつながらないときは、茫然自失になってしまって、力が入らなくなって自分の体をささえることもできなくなってしまうんだよ。
陽維脉の病は、陽=気=表だから、寒さとか熱さとかに現れる。
陰維脉の病は、陰=血=心だから、心痛に現れる。
脉の病は、陽=表が弛緩して、陰=内が引き攣れる。
脉の病は、陰=内が弛緩して、陽=表が引き攣れる。
衝脉の病は、気が逆上して、お腹が引き攣れる。
督脉の病は、背中が強張って、四肢の先から冷えてくる。
任脉の病は、体の内側に塊ができるのだが、男は気が結ぼれた塊が7つの疝痛を起こし、女は血が結ぼれて血の塊になる。
帯脈の病は、お腹の中が張ってきて、腰はまるで水の中で坐っているように力が入らなくなる。
これらが、奇経八脉の病証なんだよ。ふむ。




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