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鍼灸の古典「難経」のお勉強コーナー
~参考文献~
「難経入門」遠藤了一著 オリエント出版社 「難経ハンドブック」池田政一著 日本の医道社
「難経の研究」木間祥白著 日本の医道社 「難経本義」山下詢訓 名著出版
「わかりやすい難経の臨床解説」杉山勲著 緑書房 「ハイブリッド難経」割石務文著 六然社
「難経解説」東洋学術出版  「意釈八十一難経/小曽戸丈夫+浜田善利 共著」築地書館
「経絡治療 難経を学ぶ」名越礼子 経絡治療学会 「難経真義」池田政一著 六然社
図説 難経~易経と難経 西岡由記著 宝栄出版 「難経鉄鑑」広岡蘇仙著・伴尚志訳 たにぐち書店


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  奇経

二十七難曰、脈有奇経八脈者、不拘於十二経、何也。
然、有陽維、有陰維、有陽蹻、有陰蹻、有衝、有督、有任、有帯之脈。
 凡此八脈者、皆不拘於経、故曰奇経八脈也。
経有十二、絡有十五、凡二十七気、相随上下。何独不拘於経也。
然、聖人図設溝渠、通利水道、以備不然、天雨降下、溝渠溢満、当此之時、
 霶霈妄作、聖人不能復図也。此絡脈満溢、諸経不能復拘也。



○ 二十七難に曰く、脈に奇経八脈あるも、十二経に拘らざるは何の何ぞや。
然り、陽維あり、陰維あり、陽蹻あり、陰蹻あり、衝あり、督あり、任あり、帯の脈あり。
 凡そ此の八脈は皆な経に拘わらざるが故に、奇経八脈と曰うなり。
経に十二あり、絡に十五あり、凡そ二十七気は、相い随いて上下す。何ぞ独り経に拘わらざるや
然り、聖人は溝渠を図り設けて、水道を通利し以て不然に備う。天より雨降り下りて、溝渠は満溢す。
この時に当たり、妄に作る。聖人はまた、図ることあたわざるなり。
此れ絡脈が満溢するや、諸経もまた拘ることあたわざるなり。


(訳)
/ニ十七難
 奇経八脈は、正経十二経とは拘わりがないと言うけど、どうゆうことなの?

/
  それはだな、
陽維脈があって、陰維脈があって、陽蹻脈があって、陰蹻脈があって、衝脈があって、任脈があって、帯脈があるんだが、
この八脈すべて、正経十二経とはかかわってないんだな。
だから、奇経八脉というんだよ。

/ニ十七難
 正経は12本、絡脈は15本、全部で27本の経気が流れていて、お互いに行き交っていて上から下まで流れてるでしょ。
なのにどうして、奇経はそれらに拘わらないで単独でいるんだろ?


/
  うむ、それはだな、昔の偉い人はな、川の流れが増水したときの備えとして、側溝をつくっただろ?
でもな、ものすごい雨が降って、その側溝にも水が溢れてしまったとき、さすがの偉い人とて、どうすることもできないんだ。
これは、正経に脈気が溢れて、絡脈に流すようにしているが、それもいっぱいになってしまうと、正経にはどうにもできないということと同じだな。
そのために、正経とは拘わらない溢れたものを流す奇経があるんだな。




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